ラッキーモー(牡・松永幹)父Uncle Mo 母ラッキートゥビーミー
土曜阪神7R 3歳上1勝クラス(ダ1800m)優勝(8番人気) B.ムルザバエフJ
好スタートから促して好位3番手でレースを進めます。そのまま4コーナーを回り、直線でジリジリ脚を伸ばすと、ゴール手前で前を交わして先頭でゴールし、およそ2年振りとなる勝利を飾っています。
松永幹夫調教師「おめでとうございました。普段の様子や追い切りの動きはこれまでと大きな変化は見られなかったものの、気持ち一つでもう少し良い走りを見せてくれると期待していましたが、ジョッキーが最初から最後までやる気を引き出してくれたことに尽きます。揉まれ弱いところがあるので、出来れば良いポジションでのびのび走らせて欲しいと伝えていましたが、これまでになく行き脚が付いて好位でレースを進めることが出来ましたね。ただ、ペースが速くなったところで押っ付け通しでしたから、半信半疑な気持ちで見ていたものの、良い意味で期待を裏切って最後までしぶとく伸びて1着でゴールしてくれました。B.ムルザバエフ騎手は『スタートには注意して出して行きましたが、上手く決めることが出来ました。揉まれ弱いと聞いていましたが、良いところでレースを進められましたし、キックバックを嫌がることもありませんでした。最後まで気持ちが切れることはなかったですし、距離もこれぐらいが合っているように思います。息づかいはそこまで気にならなかったですよ』とコメントしていました。調教ではまだ息づかいは荒いものの、それが影響している感じではなかったですし、レースでも最後まで甘くなることはなかったですから、手術の効果があったように思います。パドックではテンションが高く、返し馬でも折り合いを欠くなど繊細なところを見せていたように、今後も気性面の課題は残るものの、力を出し切ればこれだけの走りを見せてくれるのですから、今後もその点には注意して良い方向に導いていければと思います。この後はトレセンに戻って状態を確認してから検討させていただきますが、疲れがなければ続戦させる方向で考えています」(レース結果)
レッドデクスター
2022.12.24
12月24日レース後コメント(9着)
橋口調教師「申し訳ありませんでした。ポンと好スタートを切って、道中の行きっぷりも悪くないように見えたのですが…。騎乗した鮫島克駿ジョッキーによると、『スタートから力むようなところがありました。それでも向正面ではハミも抜けていい感じの追走だったのですが、勝負所で急に手応えがなくなってしまって…』とのこと。前走で減った馬体が回復し、見た目にはいい仕上がりに持ってくることができたと思っていただけに、明確な敗因は掴みかねています。ただ、短期放牧を挟んでいたとはいえ、休養明け3戦目で精神的に苦しいところがあったのかもしれません。もともと気難しいところがある馬ですからね。この後は放牧に出してリフレッシュを図る予定。まずはゆっくり休んで、来年また頑張ってもらいましょう。年末は検疫が混み合うため、年明けの移動になると思います」
ペースセッティング
土曜阪神9R 万両賞(芝1400m)2着(1番人気) C.デムーロJ
五分のスタートから好位3~4番手でレースを進めていきます。直線で外に出して懸命に脚を伸ばしてきますが、クビ差及ばず2着でゴールしています。
安田隆行調教師「前走と比較すると心身ともにフレッシュさが窺えましたし、良い状態で臨むことが出来たと思います。前走はスムーズさを欠きながらも勝ち馬から僅差の4着と悲観する内容ではなかったですし、メンバー的にもここは負けられない気持ちで臨んだものの、思いのほか流れが遅くなり、先行馬有利の展開になってしまったのが誤算でした。レース後、C.デムーロ騎手は『流れが遅くなってしまい、前半はやや力みが見られました。また、手応えよく直線に向いた割には前を交わしに行くほどの気持ちがなかったですね』とのことでした。ビュッと切れるタイプではないので、控えずに早めに動いて行くような競馬をしていれば違った結果になっていたかもしれませんが、今回も悲観する内容ではなかったですし、過剰に折り合いを欠くこともなかったですから、この感じならもう1ハロン距離が延びても対応してくれそうですね。精神面を考慮して目一杯の仕上げではなかったことを考えると、使った上積みが期待できると思いますし、レース後の状態に問題なければ、年明けの中京・シンザン記念に向かいたい気持ちがあります」(レース結果)
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土曜日(12/24)に出走した出資馬のレース回顧をまとめて。※阪神C(G2)に出走したダイアトニックは別記事にて。
出資馬対決となったラッキーモーとレッドデクスター。両馬共にプラス体重でフックラ見せていたのは好印象でしたが、特にレッドデクスターは歩様にバネを感じ、一息入れた効果を感じ、ここは巻き返せるかなと正直見ていました。ラッキーモーは凡走を繰り返している割にパドックでの気合乗りが良かったのは印象に残りました。
レースに関してですが、両馬ともに互角以上のスタート。デクスターは各馬の動きを見ながら進めていく感じで動きはなかったですが、ラッキーモーは二の脚が付いて、スッと前目のポジションを取れるとはビックリ。少頭数+外枠が味方したんでしょうが、そこは鞍上の手腕でしょう。
道中の両馬は折り合いをつけ、淡々と進めていたと思いますが、ラッキーモーは頭の高い走法のイメージが強かったですが、今回は披裂喉頭蓋ヒダの切除手術の効果なのか、重心の低い走りへと変わり、ブリンカーを外しても、軽く動かす程度で追走できたのはビックリ。そして残り300mから仕掛けていき、何とか上位へと食らい付こうとするも、逃げていたテーオーサンドニの手応え・脚色は上。正直、直線ではどこまで粘れるかなという思いでした。一方のレッドデクスターは馬群で脚を溜めているを優先し、勝負どころから内目をじわっと進出開始。ただ、4角を回ってくる手応え・勢いがラッキーモーが優位に見えたのは意外でした。
そして直線で追われた両馬は極端な反応。期待の高かったレッドデクスターは追ってからグッと来るところがないというか、ギアが上がらずじまい。そして直線半ばでガス欠を起こすと後退するだけ。嫌気を差したのかどうかは不明ですが、物足りない動き。今イチ敗因が掴み切れませんが、距離を縮めていくべきでしょう。また、個人的には冬場が良くないのかな?と思うので、レース後の放牧は意識的にゆっくり進めてもらえればと思います。
ラッキーモーは外から被せられることなく、直線を迎えると、鞍上のB.ムルタバエフJの叱咤激励に応えて、じわじわ加速。『何とか5着以内に踏み止まって欲しい』と見ていたら、残り200mからギアが上がっていくと、ひと追い毎に肉薄。そして最終的に逃げていた馬をきっちり捉え、1馬身ほどグイッと前へ。逃げていたテーオーサンドニも最後にくたびれたのが、大きかったです。また、走破時計からは凡戦だったと言わざるを得ませんが、バテずに勝ち切ったのはスカッとさせてくれました。ラッキーモー自身がこの勝利を自信にしてもらい、来年も勝利を積み重ねてもらいたいです。
未勝利を勝ち上がった後、京王杯2歳Sへチャレンジしたペースセッティング。レースレベルはちょっと横に置き、この馬の走り自体を評価すると、ややスムーズさに欠けるところがありながら、僅差の4着。1ハロン延長+差す競馬への対応をこなし、収穫の多いレースになったと思います。
そして一息入れて臨むことになった今回。少頭数ながら意外と粒の揃ったメンバー構成と見ていましたが、自己条件に戻れば、正直譲れない思いは強かったです。また、士がり自体はプラス6キロでも太目感はなかったですし、血統馬らしい品のある雰囲気は健在。あとは鞍上に託すのみという心境でレースへと臨みました。
レースでのポイントして、まずはスタートに注目しましたが、今回はタイミングが合い、五分のスタートを切るとスッと前へ。行きたがらないか心配しましたが、そこは鞍上が上手に折り合いをつけ、楽な雰囲気で3番手追走。Sペースになりましたが、脚はしっかり温存出来ていたと思います。鞍上のC.デムーロJにすれば、この手応えなら直線だけで楽に届くと見ていたでしょう。
ただ、2番手でロスなく立ち回ってきたテラステラは、直線を向くと早めにエンジンを吹かし、逃げ馬に並び掛ける形。そして、ペースセッティングが追い上げてくるのを見越した上でのスパート。脚の使い方が絶妙でしたし、ペースセッティングの力を知っている坂井瑠Jの手腕が光りました。一方のペースセッティングもスパッと切れる脚は使えませんでしたが、最後まで渋太く脚を伸ばしてクビ差の2着。鞍上は『前を交わそうとしなかった』と気性面の幼さ・課題を指摘していますが、気性面を考慮してビシビシやっていない現状なので成長待ちなのかなと思います。
また、今後は在厩調整を続け、年明けの8日の中京・シンザン記念へ挑戦する模様。特別登録済みです。まあ、能力があるのは確かなので、若い頃の経験が先々に繋がってくれることを素直に信じたいと思います。ただ、本質的にはスプリンターでしょう。