アナンシエーション(牡・手塚)父Union Rags 母Acquant
土曜東京6R メイクデビュー東京 2歳新馬(ダ1600m)優勝(2番人気)C.ルメールJ
内枠からのスタートで遅れてしまうも、巻き返して好位の外目を追走します。直線入口で前の馬を射程圏に入れ、抜群の手応えからラスト300mで先頭に立つと、後続に3馬身半差つけてデビュー勝ちをおさめています。
手塚調教師「スタートで遅れてしまいましたが、道中あれだけスピードのあるところを見せてくれて、それに上がり3ハロン最速で突き放すのですから、非常に能力を感じる走りでした。レースの内容だけでなく時計もかなり優秀ですし、上のクラスでも十分通用すると思いますよ。騎乗したルメール騎手は『1・2歩目があまり速くなかったのですが、徐々に加速して楽に追走することが出来ました。直線に入ってからも長く良い脚を使ってくれましたし、今日は完勝ですね。東京のダ1600mという条件も合っていたのだと思いますが、とても良い内容の勝ち方でしたから昇級しても楽しみです』と褒めてくれました。ただ、1つ気になったことは、返し馬の止め際に難しさを出していた点ですね。恐らく口向きが柔らか過ぎるのが要因なのでしょうが、そこは今後矯正していかないといけない課題だと思います。この後に関しては、これだけのパフォーマンスを見せてくれましたので、まずはトレセンで馬体を確認させていただいてから慎重に判断いたします」(レース結果)
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【次走へのメモ】
張りのある好馬体で大トビ。出遅れてもすぐ挽回して先団馬群へ。そこでかなり行きたがるのをなだめてから、直線は3頭で抜け出す。凄い手応えのまま、逃げ馬を競り落とすと、そのまま押し切った。力がないとできない競馬。強い。(B誌)
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・在厩場所:4日に福島県・NF天栄へ放牧
手塚師「先週はおめでとうございました。厩舎に戻って状態を確認しましたが、大きな問題は見られませんでした。ただ、脚元には張りが出やすいところがありますし、無理して悪化してしまってもいけませんから、一旦放牧に出させていただきリフレッシュさせたいと思います。今後については、牧場での動きを見ながら検討していければと考えています」(11/4近況)
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スタートで出遅れた時は『あちゃ~』と頭を抱えたアナンシエーションですが、芝からダートへ入った途端に今度はかなり行きたがる素振り。グングン上がっていった時は引っ掛かったかなと思ったのですが、C.ルメールJは手綱をグッと持ったまま。人間にも少し反抗的なところがある馬ですが、他馬に対しても負けん気は十分。砂を被っても、馬群で揉まれてもへこたれないのは長所の1つでしょう。
そして3角過ぎから外目へ持ち出すと、4角を回ってくる時は唸るような手応え。ただ、出遅れや行きたがったりと道中チグハグだったので、直線を向くまでにかなり脚を使った印象があったので、直線では逆噴射するのではと一瞬頭を過ぎりましたが…。その不安はホント一瞬だけで楽な手応えで逃げ馬に並び掛け、追い出しのタイミングを図る余裕。残り200m手前で気合の鞭が2発ほど入ると、フォームが沈んで再加速。逃げ馬をアッサリ競り落とすと、ダイナミックな走法で一気に2着以降を突き放してくれました。トビが大きいのに、脚の回転も上々。追い切り映像ではこじんまりしたフットワークに見えたのですが、ギアが入ると全く違っていました。正直、ここまでやれるとは想像していませんでした。
レース後のアナンシエーションですが、レースを使った相応の疲れがあるぐらいで目立った疲れ・ダメージはなし。ただ、左前脚に疲れが溜まりやすいように弱さを残しているので、ここで一息入れるのは妥当なところ。4日にNF天栄へ放牧済です。
今回のレースでポテンシャルの高さは十二分に理解できたアナンシエーションですが、口向きに少し難しいところがあったり、エキサイトしやすい面があったりと課題も多く残されています。馬具の工夫と共に、まずは丁寧に接していくことで課題を改善・解消へと繋いでいって欲しいです。そして上での活躍を目指していくには牡馬らしく堂々と振る舞えるようになって欲しいですし、鞍上に信頼を寄せ、操縦性を高めていってもらいたいです。あとは大きな故障・怪我をしないように日々のケアを入念にお願いします。
(追記)サンスポの情報では年内はこの1走のみ。次走は年明けの1回東京開催での出走を目指すようです。